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日本の事例に学ぶ:インフラの強靭化に向けた官民パートナーシップ(PPP)

Sanae Sasamori's picture
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2011年の震災後、営業を再開した仙台国際空港
出典:PIXTA

2011年3月、東日本大震災が日本を襲い、犠牲者と行方不明者の数は2万人近くにおよびました。宮城県の県庁所在地で東北地方の経済の中心である仙台は、震災により大きな被害を受けました。約50万人の市民が水道を利用できなくなり、仙台市の下水処理場は津波により水没しました。また津波により東北地方沿岸の鉄道施設325㎞が損壊し、高速道路約100㎞が浸水したことで、支援が必要な内陸部の被災地への交通手段は瞬時にして断たれました。

震災から4年後、地震と津波からの復興の努力が続く中、民間企業コンソーシアムが30年間の仙台空港の運営権(コンセッション)を取得し、国内で初めて民間企業が運営する空港が誕生しました。この成功は政策立案者と官民パートナーシップ(PPP)の関係者に驚きを持って迎えられました。民間の事業者がどのようにして、自然災害の多い地域での長期にわたる投資の意思決定を行なうことができたのでしょうか。
 

都市のリーダーにできること:日本の事例から学ぶ

Sameh Wahba's picture
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コスモクロック21を背景にみなとみらい21地区を歩く「競争力のある都市づくり」実務者研修会合の参加者たち。みなとみらい21地区は、横浜市の中でも付加価値の高い活動が集中し、生活の質の高さに重点をおいた地区となっている。 写真提供:東京開発ラーニングセンター(TDLC)
都市の首長たちの業務を考えるとき、市民に効率的な都市サービスを提供することに加え、雇用創出を行うことは、世界的な経済成長の最優先事項となっています。

こうした中、都市には、市民の雇用と、基礎的なサービスに対応する事業のための税収を生み出す手段が必要になっています。 競争都市に関する世界銀行の主要報告書(2015年発行)では、 早急に大規模な雇用を創出することが不可欠だ と指摘されています。
 
2017年11月 、アルゼンチン、チリ、クロアチア、エジプト、エチオピア、マレーシア、フィリピン、ルーマニア、南アフリカ、チュニジア、ウガンダ等から約30名の都市および国の政府関係者、政策担当者が1週間にわたる「競争力のある都市づくり」実務者研修会合を行いました。世界中の都市を代表する参加者にとって、それぞれの都市や地域が競争力を高める手法を探すことが目的でした。

多くの都市では組織構造の断片化や管轄区域の重複などが起こり、組織内プロセスの透明化が必要となっています。また、経済開発戦略を民間セクターと調整することが困難な都市もあります。根拠に基づく政策課題を推進するための適切な準国家社会経済データの欠如も挙げられます。自治体の首長は、理論上の教訓ではなく、実践的で実現可能な知見を模索しているのです。

日本の横浜市と神戸市で行われた本 実務者研修会合では、都市の競争力に関連し、日本の優れた知見を学ぶことができました。横浜市と 神戸市は特に以下について豊富な知見を有しています。
  • 人口流入
  • 急速な産業化
  • 環境課題への対応
  • 先端技術の取得
  • 住宅バブル
  • 大規模な災害(阪神淡路大震災)と復興

すべての人の健康が守られない限り、2030年までの貧困撲滅は困難

Tim Evans's picture

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人は誰もが、必要な時に基礎的な保健サービスを受ける権利があり、病気になったからといって、医療費支払いのために経済的な困難な状態に陥ることがあってはならない。このシンプルだが力強い信念に支えられ、現在、持続可能な開発目標(SDGs)の一環として国際社会が達成を目指すユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)実現に向け、勢いが高まりつつある。

地下鉄システムを自然災害から守るには:日本に答えを求める海外の国々

Sofía Guerrero Gámez's picture
写真: Evan Blaser/Flickr
ペルーとエクアドルが抱える災害リスクの中でも特に大きな問題は、都市への人口集中と地震災害に対する脆弱性です。2007年、ペルー南部の沖合でマグニチュード8.0の地震が発生し、520人の命を奪い、数え切れないほどの建物が損壊しました。2016年にエクアドルで起きた最近の地震の犠牲者数は200人を超え、さらに多くの人が負傷しました。

もちろん、こうしたリスクは中南米の国だけに存在するわけではありません。世界有数の地震多発国である日本は、耐震性に関して他に例を見ない経験を培ってきました。国による地震リスクの管理体制の要となってきたのは交通セクターです。地震が交通インフラとその運営、乗客の安全に与えるであろう影響の大きさを考えれば、それも当然のことと言えるでしょう。

国際開発協会(IDA):極度の貧困の撲滅に向けた最前線で

Axel van Trotsenburg's picture


10月17日は「貧困撲滅のための国際デー」です。これは、2030年までに極度の貧困をなくすための挑戦において重要な記念日であり、貧困の撲滅のためによりよい活動を加速するという私たちが共有するコミットメントを新たにし、グローバル社会がこれまで協働して何を達成したかを振り返る日になります。

1960年以降、国際開発協会(IDA)は、最貧国での活動の最前線にいます。IDAの投資は、紛争と暴力を予防し、民間セクター投資を生みだし、仕事や経済成長を創出し、気候変動による最悪の影響を予防し、ジェンダー平等とよいガバナンスを促進することによって、世界中でより高い安定と発展を促します。

IDAの支援により、仕事の創出や、学校、保健設備、社会的セーフティネット、道路、電気等へのアクセスを通じて、何億人もの人が貧困から抜け出すことができました。私たちの直近の成果は、IDAが貧困削減に有効であることを端的に示しています。例えば、2011年から2017年の間に、IDAは6億人を超える人への必要不可欠な保健サービス、3000万人の妊婦への保健機関から育児についての研修、800万人の教師採用、2億5000万人の子供たちへの予防接種を支援しました。

災害二都物語:コミュニティー同士の学び合いと絆が深まった例

Margaret Arnold's picture
Community members from Nepal learn how to make paper jewelry crafts from Ibasho-Japan elders.
居場所ハウスで紙細工のアクセサリー作りを学ぶネパール使節団(撮影者:Margaret Arnold 、世界銀行)
カトマンズで高齢者のソーシャル・ベンチャー事業「ビハニ」を運営していたサントシ・ラナさんは、2015年4月のネパール地震の後、多くの若者が救援・復興活動に参加していることに気づきました。「高齢者は、完全に蚊帳の外におかれ、ケアを必要とする受け身な存在として扱われていたのです。」ラナさんは、インターネットで参考になる情報を探すなかで、防災グローバル・ファシリティ(GFDRR)の報告書「地域の高齢者の力を (Elders Leading the Way to Resilience)」に出会いました。報告書では、2011年の東日本大震災の後、高齢者が中心となった岩手県大船渡市の復興活動「居場所ハウス」が果たしている役割が検証されています。

コミュニティーの強靭化に向けた日本の取り組み事例


大船渡市では、地域の高齢者が居場所ハウスを構想し、設立しました。居場所ハウスは、東日本大震災で大きな被害を受けたコミュニティーのつながりを復活させる、中心的な場として機能しています。コミュニティーの人々が形式ばらずに集える場であり、子どもは図書コーナーに英語の本を読みに来たり、高齢者は若者向けに郷土料理の講習会を開いたり、若者は高齢者にパソコンの使い方を教えたりと、多世代の利用者がつながりを持つ場となっています。居場所ハウスは、運営にも高齢者が積極的に関わることで、ソーシャル・キャピタル(人と人とのつながり)や強靱性の構築にも役立っています。また、高齢者の活発な活躍ぶりは、人々の高齢者に対する意識を変えることにもなりました。居場所ハウスは持続可能なビジネスモデルを採用しており、活動資金を捻出するため、食堂の経営、無農薬栽培の農園、朝市の開催などに取り組んでいます。

過去とともに革新する:遺産を通して強靭力を養う

Barbara Minguez Garcia's picture
Demonstration of the firefighting system in the Ninna-ji Temple in Kyoto, Japan, by the temple staff and the R-DMUCH professors. (Photo by Barbara Minguez Garcia / World Bank)
寺院関係者とR-DMUCHの教授達による京都仁和寺での消火システムのデモ(撮影者:Barbara Minguez Garcia、世界銀行)
「防災」とは災害リスクの軽減や管理のことであり、我々の規範となる言葉となりました。災害リスクと文化遺産管理の専門家グループとして来日した我々の活動の間、ニックネームや集合写真撮影時の掛け声にもなりました。この言葉は、日本が深く学んできたことの象徴でもあります。災害は有史以来、日本の歴史の一部でした。1995年の阪神淡路大震災や2011年の東日本大震災と津波は、日本が「ビルド・バック・ベター」をモットーに復興した最近のほんの二つの事例に過ぎません。11月5日は津波防災の日であり、「防災」ほどことの重要性を適切に表している言葉は他に思いつきません。

自然災害が頻発する環境において、気候変動がこのような災害の破壊度や頻度を増す目に見える現実であることを日本は認識しています。日本はこの脅威が市民、経済やインフラのみならず、自らの文化遺産をも脅かしていることをよく知っています。

無形文化財も、復興プロセスにおいて人々に援助の手を差し伸べ、過去から確実に学ぶという点において同じくらい重要です。例えば、世界で古くから伝わる地元の知恵を前に、自らに問いてください:我々は先祖の忠告に耳を傾けているのか?

データ:3億8,500万人の子供が極度の貧困状態に

Tariq Khokhar's picture


世界の極度の貧困層の半数は子供です。世界銀行グループとユニセフが共同で新たに発表した報告書は、2013年、世界で約3億8,500万人の子供が極度の貧困状態にあると指摘しています。これらの子供の10人中9人が、20カ国に集中しています。詳細は、報告書「極度の貧困を撲滅する:子どもを中心に」(英語)を参照ください。

 

災害への備え:先人のメッセージが伝えることは?

Ko Takeuchi's picture
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「奇跡の一本松」:2011年の大津波に耐えた樹齢250年といわれる松の木。19,000 人の犠牲者を追悼するモニュメントとして保存されている。 (写真:ウィキペディア・コモンズ)
災害リスク管理というと、地域社会が将来起こりうる災害リスクに備えるための最先端技術に目を向けがちである。そうした先端技術はもちろん重要であるが先人たちが残した洞察力あふれるメッセージもまた災害を未然に防ぐための大いなる手助けとなることに私は着目したい。

先人の知恵は、人々を災害から守る方法(既存リスクの低減)と、人々を災害による被害から遠ざける方法(新規リスクの回避)を教えてくれている。私はつい最近、アルメニア共和国、キルギス共和国、タジキスタン共和国の政府代表団とともに日本を訪れた。災害リスク管理に焦点を当てた視察を行い、災害の経験を明確な教訓として次世代へ受け継いでいく日本の文化を学ぶためである。

データ:1人当たりの年間水資源量が多い国

Tariq Khokhar's picture

アイスランドでは、人口一人当たり年間でオリンピックのプール200個分を超える量の水資源に恵まれています。一方、現在世界で約16億人が水不足の国に暮らしており、その数は20年後には2倍になると見込まれます。中央アジア地域の年間水資源量は、2030年までに1人当たり年間で1700立方メートル、つまりプール1個分以下まで減少する見込みです。今年の世界水週間のテーマは、「持続可能な成長のための水」でした。
 


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